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第5話 炎の誓い

Author: スナオ
last update Last Updated: 2025-04-15 06:52:50

 少女たち3人をくわえ一気にかしましくなった車は、次に狙われるだろう秋田の拠点を目指していた。青森からもっとも近い四方院家の分家、白井家の屋敷が目的地だ。

 車内では少女3人と桜夜が後部座席を陣取り、赤木家から勝手に持ってきたトランプで遊んでいた。

 そのあまりの緊張感の無さに、運転手はあきれ返っていた。

「ああくっそ! なんで勝てないんだ!」

 ホムラがトランプをぶちまけ、頭をかきむしる。

「はっはっはっ」

「なにわらってんだてめー!」

 最初は普通にトランプで遊んでいた。しかし一喜一憂するホムラの様子が面白く、いつのまにか桜夜、サイカ、リオの3人が連合を組み、ホムラをいじ……かわいがっていた。

 そうこうしている間にたどり着いた白井家の屋敷は、反社会組織も真っ青な完全武装状態で桜夜たちを出迎えた。

 白井家の当主は相談役を名乗る若造が気に入らないらしく、挨拶にも出て来なかった。

 それでも正式任務中の相談役は宗主の名代。キングサイズのベッドに専用のお風呂や洗面所、トイレなどが付いた最高級の客間を待機場所としてあてがわれた。

 まあ外に出る必要のないこの部屋をあてがわれたのは隔離の意味もあるのだろうが。

 部屋に入ると、ホムラの怒りは限界だった。

「あー! ムカつく! なんだよこの家! 人が協力してやるっていってんのに邪魔者扱いしやがって!」

「やめなさいホムラちゃん。はしたないですよ」

 桜夜はホムラを見ながら苦笑した。

「ごめん。僕がもう少し歳をとってれば君たちに不快な思いをさせずに済んだんだが」

「けっ」

 ホムラはそっぽを向いた。

「とにかくいつ襲撃があるかわからなたいから今は休もう。君たちもベッドに来たらどうだ?」

「はあ?!  誰がてめえなんかと同じベッドに入るか変態野郎!」

 ホムラは早速噛みついたが、サイカとリオの態度は違った。赤くなりながらもあおたがいの顔を見ると頷き、桜夜の両隣に横になった。

「なにしてんだよ! ねえちゃんたち!」

「い、いや、休むのも大事かなって」

「そうです」

 そんな謎な状況でも桜夜はマイペースだった。

「やっぱり若い子と寝るのはいいね。失った全盛期の霊力が戻るようだよ」

「この変態! ねえちゃんたちになにかしたらゆるさないからな!」

「阿呆、決戦前にそんな疲れることするわけないだろう」

 疲れること

 そのワードでもう限界に達したらしく、ホムラはトイレに閉じ籠ってしまった。桜夜は構わずすやすやと寝息を立てていた。

◆◆◆

 深夜0時、ついにそのときが来た。屋敷の真上の空間が歪み、漆黒の巨鳥が姿を表した。

 巨鳥はいきなり漆黒の炎を吐き出し、白井家の屋敷や敷地を燃え上がらせた。

 白井家の面々も重火器で対抗するもまったく歯が立たず、次々と火炎弾で凪ぎ払われていった。

 そんな中、桜夜と少女たちは窓をやぶって燃え盛る屋敷から脱出すると巨鳥に向かって走った。巨鳥が視界に彼らをとらえると、突然女性の声で話し出した。

「あら出来損ないのお人形たち。そんなところでなにしているのかしら?」

 サイカが決意を決めて巨鳥を睨み付ける。

「わたしたちは、母さんの道具じゃない!」

「そう。なら死になさい」

 巨鳥……フェニキアは再び火炎弾を放つ。

 桜夜は叫んだ。

「リオ!」

 その声を受けてリオは鉄砲水で火炎弾を受け止める。

「よし、サイカは僕と一緒に……」

 そこまで言ったところですでにホムラが勝手に動いていた。炎の弾丸となってフェニキアに体当たりをかましたのだ。フェニキアは体勢を崩し、鉄砲水を食らうことになった。しかし怒り狂ったフェニキアはすぐに体勢を整え、翼で突風を起こし、ホムラを地面に叩きつけた。そして猛毒の炎を彼女に向けて放つ。

「ホムラ!」

 咄嗟に桜夜がホムラを庇うように抱き締め、背中で毒の炎を受けた。毒によりマントが溶け、服が溶け、背中が燃えても彼は構わず、桜吹雪をフェニキアに投げつけた。

 桜吹雪はまるで意志を持っているかのようにまっすぐフェニキアの胸を貫いた。苦しみ悶え、消滅するフェニキア。桜吹雪は役目を終え、地面に突き刺さる。サイカはその様子に口を押えながらつぶやく

「この人なら、本当に……」

 その頃ホムラはパニックを起こしていた。自分の腕の中で桜夜がぐったりとしていたからだ。フェニキアの消滅と共に背中の炎は消えたが、その毒が体内に回ったらしく顔色は悪い。

「おい、おまえ……!」

「……大丈夫。毒じゃ僕は、死な、な、い……」

 そういって桜夜は意識を失った。

◆◆◆

 それから数時間たち、朝になると桜夜は普通に目を覚ました。四方院家御抱えの病室のベッドの上だった。近くの椅子にはホムラが腰掛け、ベッドに突っ伏して寝ていた。桜夜はなんとなく彼女の頭を撫でる。

「勝手に触んな」

「起きていたのか」

 ホムラは顔を上げると、桜夜を睨む。

「そいつは失礼」

 流れる沈黙。やがてホムラがそれを破った。

「……なんで助けた」

「そりゃあ君のねえちゃんたちに頼まれてるからね」

「るせえ。この借りは必ず返す。てめえは絶対死なせねえ」

 ホムラはそう呟くと桜夜に乱暴なキスをお見舞いした。前歯があたりお互いに激痛を伴ったが、どちらも声は出さなかった。

 ホムラは顔を見られないように慌てて病室を出ていく。桜夜は苦笑いする。

「僕は死にたいんだけどなあ」

 ドア越しにその言葉を聞いたホムラは拳を握りしめた。

「絶対死なせねえ」

 それは炎の誓いだった。

to be continued

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